HOW TO COMPOSE
Synaの場合。
  「どのように作曲しているんですか?」って、よく訊かれるんですが、結論からいうと、「いろいろ」です。
  メロディーからか、歌詞を書いてもらってからか、コードからか、リズムからか、パターン(=リフ)からか…って言い始めればきりがないです。
  そして、音階とか、コード進行とか、楽典とか、DTMとか、MIDIとか、スケールとか…そういうアカデミックな説明は、インターネット上にも、一般の書籍雑誌にも初級編から応用編まで充分詳しく書いてあるので、わざわざSynaが書く必要もないでしょう。Synaはその辺を感覚で処理してることが多いので、説明になりません(笑)。

  Synaが言いたいことで、あまり過去に記述のないもの…それは『作曲するにあたっての心構え』です! 極めて私見的で独善的かつ短絡的(?)なものも含まれるかもしれませんが、音楽製作サイドのひとが一度読んだら一皮剥けるようにと願って書きました。 「しかし、こんなん教えちゃったら商売アガッタリなんちゃう?」…って、考えましたが、「いや、変なもん聞かされるよりマシやろ」という結論に達しまして、あえて手のウチを明かします。

ちょっと、長いので、3編に分けました。
〜総合編〜
〜メロディー作成編〜
〜打ち込みアレンジ作成編〜

『音楽を作るにあたっての心構え』

〜総合編〜

リスナーの感情を変化させろ!

  音楽を作るものは、音楽を聴かせることによってリスナーの心境を変化させなければなりません。 なんらかの効果をもたらさなければならないのです。 音楽を聴く方にも訳があります。 「何故、私たちの音楽を聴いてくれるのだろうか」を自問し、リスナーの求めを最大限に汲み取り、こたえるべきです。

  ある音楽を聴いてリスナーが何にも感じないようであれば、それは「音楽」ではないのかもしれない。 聴いていて意味がないのならば、その音楽を作ったことに意味がないということになります。 BGMでもインスト曲でもうたモノでも例外なく言えることです。 プロ・アマ問わずコレに気が付いていない人が多いのではないかと思います。

  「自分が表現したいものをやってるだけだ」という言い訳は、もうやめにしてもらいたいですね。 人間の感覚器は、触りたくないものには触らなくて済むが、聞きたくないものはいやがおうにも聞いてしまうようにできています。 空気を媒体として使って拡散的にタレ流す側の責任は重大であると、認識しておきたいものです。 受動的リスナーも考慮に入れて作曲しましょう。

  音楽はメディア(媒体=CDやTV、ラジオなど。インターネットもそう。)を通すことが多く、ともすれば、制作サイドと視聴サイド間の情報の流れが一方通行になってしまう恐れが常にあります。 ライブやコンサートでもない限り直にリスナー(オーディエンス)の反応はわからないものです。 だからこそ、リスナーの気持ちを慮(おもんぱか)るのは必要不可欠であり、やってやりすぎることはありません。

中途半端なことするな!

  表現したいことは何なのかよく分からない作品は数多く見受けられます(ほとんどかも?!)。 やりたいことははっきり曲中に提示するべきです。 明確な意図のない曲を漫然と聴かされるほど退屈なことはありませんから。

構想にこそ時間をかけろ!

  曲を作って、アレンジして、打ち込んで、レコーディングして…という、実際に曲を組み立てるのも楽しいものですが、具体的な設計図を書く前に、構想をしっかりまとめておきましょう。 これをちゃんとやるかどうかで、曲の出来が全然違ってきます。

 「何を表現したいのか」を(単語の羅列程度でいいので)メモして、目に付くところに置いて(貼って)おきましょう。

曲を作るきっかけは?

  構想・概念設計と同様に、作る前からの「思い入れ」も、重要です。 音楽が心に作用するものである以上、曲に魂が入っているか否かは、聴けば明らかです。

芸術性か、エンターテインメント性か?

  これは、非常に意見の分かれるところですが、…音楽には「楽しむ」という要素も大きいと思います。 H Jungle with T が、モーニング娘。が、何故売れたのか…答えはコレです。

  ただ、やはり、それが場に合わないところで流すのは、問題です。 例えば、…ファーストフードの店内放送で「だんご三兄弟」はギリギリでアウトなんじゃないでしょうか?

無駄を取り除こう!

  無駄なものを聴かせるなんて、わざわざ、時間をとってもらっているリスナーに失礼ではないか? 楽曲の長さを保ちたいがための間は要りません。

出来ないことはしない

  なんでもかんでも自分でやろうとするあまり、不得意分野(Synaはヴォーカルだな…)にまで手を出し過ぎている人がいます。 自信のないパートは聞き苦しいし見苦しいので、やめておいたほうがいいです。 楽曲の評価で最悪なのが「減点」です。 代わりはいくらでもいるわけですから、減点されるポイントをさらけ出すくらいなら、初めっからしない方がいいです。

  不得意じゃなくても「実力以上のことをすること」も、減点対象になります。 出来もしない難しいことがらに挑戦することと、曲の出来は、一般に反比例します。 出来ることを完璧にこなす…これが満点に近づくコツです。 でも、実力アップに労力は惜しまないように…(笑)。 実力があれば、それだけでリスナーをネジふせることも可能だったりするんで。

評価を受けよう

  一番キツいことをいわれたときが、一番成長しているときです。 逆に、いい評価を受ければそれは自信につながり、次にいい曲を作る起爆剤になります。 ひとの意見を聞くと、どちらの評価を受けても自身のためになります。

評価をしよう

  他人の作品を的確に批評できるようになれば、同じ客観的な目で自分の作品を見る力が養われます。 アマチュアミュージシャンの曲はヘタに欠点をごまかされていないので、酷評を文章化しやすいので、オススメです。 そして、ここはアマチュアミュージシャンサイト…(汗)。 酷評をお待ちしています。
 総じて   聴く方の身になってみよう!ってことです。

  いい曲、作ってくださいね!

『音楽を作るにあたっての心構え』

〜メロディー作成編〜

とにかくサビはキャッチーに!

  リスナーの意識レベルが低ければ低いほど、聞こえている音は少なくなります。 彼ら彼女らの心を掴みたいなら、一番聞こえている音=「歌メロ」に自分の音楽のすべてをブチ込むくらいの姿勢が必要です。 一曲の中でも、最もよくメロディーを覚えてくれるのが「サビ」の箇所です。
  だから、サビをキャッチーにしないといけないんです。

「キャッチー」って何?

  一度聴いたら忘れられないフレーズって、ありますよね? 聴けば聴くほど味の出てくるいいメロディーもありますね?
  どっちかって言うと、前者です。 広義では、後者も含むことも。

どうやってキャッチーなメロディーを生み出すの?

  あなたが好きな音楽を聴いて(歌って)、その中でも特にキャッチーなところはどこか?っとことを意識しておくといいです。 常に頭のすみっこに走らせておくだけで、「キャッチーなフレーズ」のデータが蓄積されていくはずです。 本・文献の類を読んで知識をつけるようなものではなく、要するにセンスです。

じゃ、作ってみよう。

  「わたしが作るメロディーはキャッチーだ」って自己暗示かけて(笑)、各自の方法でテンション高めて、右脳から溢れてくるメロディーをテキトーに声に出して歌ってみる。 左脳で「考え」てはダメです。 なんとなく、それとなぁく、自然に、溢れ出てくるがままにするのです。

  ま、それが難しいんですけどね…。

生まれでたメロディーを記録

  そのメロディーをどう残すかの方法はいくつかありますので、好きなものを選んでください。

1. 五線譜に書く。
書けるんだったら、書いたらよろしい。 Synaは、めったに五線譜を書きません。 どうしても欲しいなら、ご自分で採譜してください(汗)。
2. シーケンスデータとして、キーボードを通して入力し、リアルタイムレコーディングでシーケンサーに記録する。
Synaがもっともよく使う方法です。 あとで修正もできるし、そのデータをもとにそのままアレンジ作業に移行できるので、オススメです。
3. 歌っている声自体を録音する
データ管理が苦手なSynaには、フレーズメモの、山のようなMDを整理することはできません。 …ということは、録りっきりになるのは目に見えてるんで、やりません。 でも、留守電や、ケータイのボイスメモ機能は、役に立つかもしれません。

さらに、メロディーメイクのポイントを列挙

1. 聴き心地のよいメロディー
ストレートな感じでも、ちょっと変な感じでもいいのです。 最初から印象深い曲を作るのは難しいと思います。 メロディー自体は記憶に残らなくても、「聴いてて気持ちよかった」という体験記憶を残すというのは狙えるかも!?
2. 無理なく歌えるメロディー
ヴォーカルの声域は、絶対に把握しておきましょう。 アレンジまでした後でキーを変えると、オケに元気がなくなったり、イメージが変わってしまったりするので、それを防ぐためでもあります。
3. 歌いやすいメロディー
ヴォーカルの声域の中でも、いい声を出せる音域は限定されますので、そこを効果的に使いましょう。
4. 歌って楽しいメロディー
例えば、どんなにいいフレーズでも、単調なフレーズを繰り返せば飽きます。 飽きさせないように「ディテール」も「全体の構成」も工夫しましょう。
 作曲というインスピレーションの仕組みを文章化するのは無理です(汗)。 ただの精神論になっちゃわないように、具体的なHOW TOに的を絞ってみました。

『音楽を作るにあたっての心構え』

〜打ち込みアレンジ作成編〜

打ち込み演奏は機械伴奏か?

  答えはノー。 打ち込みの演奏データを作るのは人間なので、感情の入る余地はいくらでもあります(*)。 逆にヘタに手演奏にまかせない方がいい結果を得られることがよくあります。 打ち込み演奏に人間味を感じないのは、「作者の意図」か「データ作りの実力不足」のどちらかです。

  打ち込みのよいところは、たくさんあります。 いくらでも作りなおせること、細かいところまで作りこめること、要求(打ち込みデータ)に対して非常に素直な応答(音)が得られること、音声データよりMIDIデータの方が比べ物にならないくらい軽いこと…挙げればきりがありません。

  もちろん弱点もあります。 あまりに複雑過ぎる手演奏のニュアンスは事実上打ち込むことが不可能、どんなに似せても本物には勝てない…などなど、こちらも挙げればきりがありません。 要するに、一長一短があり、場合によって使い分けるのが、ベストな利用法です。
*>>音量軸的には128あるベロシティーの離散値は表現に充分だし、コントロールチェンジを使えばさらにパラメータが増えます。時間軸的にも、分解能は充分細かいと言えるところまで技術的に進歩している…と、思います。

音楽を始めたきっかけは何?

  これまた極私見ですが、コンピュータからDTMを通って音楽制作に行き着いたひとの作品は一般にレベルが低いように感じられます。 コンピュータのために(例えば、ウェブサイトのBGMのために)音楽を作るのか、音楽のためにデジタル機材を使うのか…この差は大きいです。

せっかくだから打ち込みならではのことを

  特に楽器の弾けない打ち込みアレンジャーは、楽器のできるひとに劣等感や引け目を感じてしまいがちです。 しかたないんですよね、客を前にしたステージでは実際パフォーマンスすることないんで。 新興の楽器なので、理解の遅れてるひとたちに悪口陰口言われやすいんです。 歴史が積み重なっていけば、見方も変わると思いますけど。
  だから、新しい歴史を作っていくという意味でも、「打ち込みならでは」のこともやった方がいいと思います。 生モノのシュミレーションも面白いけど、それあんまりやりすぎると自分の首を絞めることになるのではないかと、心配です。

とにかく総合力

  特定の楽器に特化して取り組むことは、それ以外のパートに力入れていないことになり、かえってバランスを欠いた打ち込みアレンジになりやすいんです。
  たとえば、ギターの打ち込みに長けていても、ベースのゲートタイム(OFFにするタイミング)に気を配っていなければ、曲全体がノリの悪い印象になる。 どんなにギターの打ち込みが生っぽくても、リスナーの評価は「ベースがいまいち」に集中するだろう。 (「打ち込み」を「バンド」に読み替えても、同じことが言えますね。)
  ただでさえ、音楽経験の乏しいひとが挑戦することが多い打ち込みなのだから(**)、音楽的素養に乏しいのだから、少ない労力でいいものを効率的に打ち込みアレンジを組み上げたいものです。
  ドラム、ベース、ギター、鍵盤、ストリングスにブラスと、もちろんどれも重要なのですが、特に、ベースのお勉強は必要不可欠です(勉強って言っても本を読むことじゃなくて…)。 ベースがわかると、ドラムも上モノ(=ギター、鍵盤、ストリングス、ブラス etc.)に関しても「サァー」っと視界が開けてきてきます。

**>>「幼少の頃からピアノを…」っていうひとは数あまた。しかし、打ち込みをやってる小学生の話はあまり耳にしないでしょ? これも、歴史が浅いがゆえの弊害なだけど…。

順番

  「メロディー → コード(荒く) → ベース → ドラム → 上モノ → 仕上げ」の順で作るといい曲になっているという傾向が、経験則的にあります。 要するに『聴かせたいもの順の原則』です。 これは、「詞先か曲先か」とか「曲の魅力か歌手の魅力か」の選択でも意味がある。
  ちなみに、エフェクターは『効果を出したいものの逆順』です。 後工程の方が効果が大きくなります。

キーボーディストのアレンジが好き

  ただのSynaの好みの問題なのですが、…ドラマー、ベーシスト、ギタリスト、キ−ボーディスト、ヴォーカリスト…のなかで、Synaは「キーボーディストのアレンジが好き」っていう傾向があります。 緻密さ、綿密さ、精密さ、丁寧さ、美しさ、やさしさ、豪快さ、奇抜さ、大胆さ、知性、まとめる力…など、アレンジに必要な要素を自然に独占しているのではないでしょうか? 鍵盤おそるべし! そういうSynaは、ろくに鍵盤弾けないけど…(泣)。

  バンドで、録音の機材(HDR、マイク、エフェクター、ミキサー…)をせっせと集めているのは、メインで歌う本人のヴォーカリストですか、それとも(よく考えたらあまり直接関係ない)キーボーディストですか? アレンジ講座の連載がよくあるのは、キーボード雑誌です。

メリハリ!

  初心者だった頃、一番悩んだ問題でした。 「えっ?! メリハリって何?」って感じでした。

  手っ取り早く解決しようと思えば、ひらウタ(=サビ以外のところ)では音使い・音数を薄くして、サビで全開!っていう構成にすれば間違いなく、メリハリが得られます。

  そして、そうこうしてるうちに細かいことが経験的に分かってくるようになります。 逆にめちゃくちゃ音数を抜いてみるとか、リズム的に変化をつけるとか、転調とか…。 とにかく「ここからサビです。心の準備はいいですか。」っていうメッセージを音にすればよいわけなんです。
 打ち込み・アレンジは右脳と左脳の両方を使うんで、将来ボケにくいでしょうね。

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